バンドマンになれなかったサラリーマン

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12月にスラムダンクの映画を見に行った

スラムダンクは友だちに漫画を借りて全巻読んだことがあるけど 漫画って何回か繰り返し読まないと 1回読んだだけじゃ結構内容忘れるよね

しかも短期間で一気読みしたらなおさら記憶に残らない

そういうわけで 漫画はとにかく死ぬほど面白かったのは覚えているけど 細かいところは記憶が抜けていた

記憶に残っているのは おれは三井寿が1番好きということと やたら「ボボォン!」て言うやつがいたということ

だから映画も熱狂的なファンとして見に行くと言うよりは 原作は一通り読んだことあるし見に行くか〜くらいの気持ちで行った

 

結論 死ぬほど面白かった

一応公式でネタバレ厳禁とされている映画なので詳細は伏せる

まずオープニングから鳥肌がたった

もはやオープニングを見に行きたい

オープニングを見るためだけにもっかい見に行ったとかいう口コミもチラホラ見かける

このオープニングの曲 ボーカルがチバユウスケっぽい声してるなと思って後で調べたら 案の定The birthdayが主題歌を担当していた

あのしゃがれ声は唯一無二だ

これでチバユウスケじゃなかったら逆にお前誰だと言うところだった

おれはBirthdayについてはあまり詳しくないが チバユウスケといえばおれが好きなミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)のボーカルでもある

スラムダンクの映画を機にミッシェル熱が見事に再燃した

 

ミッシェルはパブロックやガレージロックの要素ゴリゴリの男臭いロックバンドだ

1996年結成 2003年解散

ギターのアベフトシが亡くなったのが2009年

おれがミッシェルを知ったのは遅く 2011年

バンドをやってる後輩の女子にCDを借りたのがきっかけだった

バンド名だけで洋楽だと思い混んでて いざ聴いたら邦楽で不意をつかれたのを覚えている

おれが最初に聴いたのは「世界の終わり」でもなく なぜか絶妙にマイナーな「マシュマロ・モンスター」だった

 

このミッシェルというバンド 何がいいかってとにかく「カッコいい」の一言にすぎる

これ以上の言葉はいらない

新曲のレコーディングもスタジオ一発録り

新曲も事前打ち合わせ無しでスタジオに集まってメンバーが思うままにその場でセッションした結果生まれるというのだから驚きだ

悪い言い方をすると計画性がなさすぎて 心配性なメンバーが1人でも居ようもんなら成り立たない

 

t.A.T.u Mステドタキャン事件

ミッシェルの有名な伝説といえばやはりこれだ

通称 「伝説の夜」

2003年にミュージックステーション初出演したミッシェル

同回の目玉とされていたロシアの女性アーティスト「t.A.T.u.」が歌の出番になっても登場しないという放送事故が発生

放送終了まで残り7分 既に出番を終えたミッシェルが急遽もう1曲演奏することになった

ミッシェルにとってはリハ無しの突然の新曲披露となったが 常に本番を生きる彼らにとってそれはただの日常

ぶっつけ本番がなんぼのもんじゃい セットもない中 完璧な演奏をしてMステをぶち上げてくれた

しかも放送残り時間を考慮し 通常よりアップテンポで演奏して放送時間内ジャストで終えるというクソかっこいいパフォーマンス

Mステの伝説として たまにやってるMステの特集でも未だに取り上げられるほどだ

「伝説の夜」と検索するだけでヒットするから興味があれば調べてくれ

誰がほかにどんな伝説を夜に残そうとそれは平凡な夜であり 伝説の夜はミッシェルのものなのだ

 

~サラリーマンの背伸び~

話が長引いたがここからが本題だ

ミッシェルが好きなおれは一時期どうやったらチバユウスケになれるか本気で考えた

結論から伝えるとチバユウスケになれなかった

 

ギターのアベフトシにも憧れたが アベフトシは何がカッコイイかというと 普段は無口で一切喋らず 表情もあまり崩さず飄々としているところ

そして解散ライブの最後の最後で笑顔を見せ「ありがとう」と一言だけ発したこのギャップ

おれが真似してふだん無口で無表情で たまにニヤリと笑って「ありがとう」なんて言おうもんなら陰キャも極まるって話だ

そういうわけで とてもアベフトシにはなれそうにないと思った

というより身長が187cmある時点で既におれとは違う

一方のチバユウスケは173cmとおれより僅かに低い

なんならチバユウスケよりカッコよくなれるんじゃねえかと思った

2017年 当時のおれはチバユウスケになるにあたり まずは髪型をオールバックにした

我ながらイケてると思った

ただ髪型を真似たところでチバユウスケにはなれない

本質的な部分でチバユウスケになろうとしたおれは まずはチバユウスケの生き様を調べた

 

「未だに携帯電話を持っていない」

詰んだ

チバユウスケはこのご時世に携帯を持たず生きているというのだ

そしてプライベートでの暇つぶしは「酒を飲むかギターを弾く」

無骨すぎる男臭さにますます憧れたがさすがに今さらスマホは手放せない

一瞬まじで解約を考えたが デメリット10に対しメリットが1(携帯を持たないという共通点ができるだけ)

恋に盲目というが チバに盲目だったおれでも さすがにデメリットに傾ききった天秤を前にすると思考は冷静になり解約せずに済んだ

 

そういうわけで1週間経たずおれはチバユウスケになることを諦め平凡なサラリーマンとして生きていくことに決めたのだ