日本人に生まれてよかったことは

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日本人に生まれてよかったと思うことはみんな何かしらあるだろう

ご飯がおいしいとか安全だとか漫画やアニメ文化が最高だとか 日本に生まれていいことはたくさんある

 

日本語最強

 

おれはこれだ

ちなみに日本語以外に知ってる言語は英語しかない

そんなことは今は置いといて欲しい

そういえば大学生のときは第二外国語にロシア語を専攻した

単位が取りやすいという不純な動機だ

実際は先生によって差はあれど おれが取ったロシア語のクラスは運良く易しい先生だった

 

先生「じゃあ今日は早口言葉をやりましょうね!」

大学生「はーい!」

先生「Карл у Клары украл кораллы, а Клара у Карла украла кларнет.」
※発音

カール ウクラーリ ウクラール カラーリ、ア クラーラ ウカーウラ ウクラーラ クラルネット

※意味

カールがクラーラの珊瑚を盗み、クラーラはカールのクラリネットを盗んだ

 

大学生「かーるうくらーり!うくらーるからーり!あくらーらうかーうら!うくらーらくらるねっと!」

先生「よくできましたね〜」

 

まるで幼稚園だった

大学の授業はときに小学校より退化することがある

話が脱線し出すとキリがないが 日本語と英語とロシア語の早口言葉しか知らないおれが選ぶ最強言語は日本語だ

 

日本語は複雑すぎるが そのおかげで芸術のごとく表現力にすぐれている

特にお笑い文化においてそれは顕著に現れる

日本のお笑いの独特な表現力 ニュアンス 言葉選び あれはアメリカにはない

アメリカ人と結婚した後輩のもも(親をヤクザと思い込んで育った男。実際には全然違ったらしい)がそう言っていたから間違いない

おれのももに対する信頼は絶大だ

 

そういえばロシア語も大学生のときはロシ語と略していた

スペイン語はスペ語

日本語特有の表現だ

中国語はチャイ語

まさかの1度英語に変換してさらにそれを略すという最先端ハイブリッド表現技法

じ じゃあ韓国語は!?と思ったら韓国語は韓国語

コリ語ではない

お前の思い通りには行かないぜと言わんばかりの焦らし

 

音楽(歌詞)にも日本語の素晴らしさを感じる

キリンジの「もしもの時は」という曲の一節を抜粋すると

カバンの中のスタンガン
星より秘そかにGPS
横顔 きれいな髪
防犯カメラの中の
君がもしもの時は言ってよplease
君にもしもの何かがあったら
堪えられないよ
電話の繋がるどこかにいるよ

 

釣り堀でお前を見たよ
何も言えなかったけど
ごめん
もしもの時は言ってよplease
水臭い奴だって知ってるけど
抱え込むなよ
電話は繋がるようにしておくよ

 

何か気づいたことはないだろうか

1番と2番で二人称が変わっているのだ

1番で「君」と言ってるのが2番では「お前」になっている

おれは全然気づかなかった

そしてこれを読んでいる君に関してはもはや上の歌詞をちゃんと読んですらいないだろう

この歌詞の「君」が好きな彼女のことを指し「お前」がその彼女のストーカーを指しているのだ(キリンジ本人談)

君からお前になったからと距離が縮まったわけではなく そもそも指している人物が違う

1から10まで説明せずとも ちょっとした言葉選びの違いで豊かに表現する

こういう細かい表現は「You」しか選択肢がない英語にはできないだろう

HeやSheを使おうもんなら あからさますぎて台無しだ

 

君に会えた 夏蜘蛛になった
ねっころがって くるくるにからまってふざけた

これはスピッツの「プール」という曲の出だしのフレーズ

男女が重なって絡み合う(sex)様子を真上から見たら手足合計8本になることから それを夏蜘蛛になった と表現したというのだ

これはもう天才だった

とはいえスピッツの歌詞は抽象的であるがゆえに色んな考察ができて また本人(草野マサムネ)も歌詞の真の意味については言及していない

あくまで考察だ

洋楽でも歌詞が素晴らしいものはあるが 歌詞の内容そのものではなく それを構成する上での表現技法に関しては日本語が頭1つ抜けていると思う

 

一方でその複雑さゆえに 日本語のデメリットも多々ある

特にビジネスにおいてはいちいち言葉選びがめんどくさい

お疲れ様だのご苦労さまだの 微妙なニュアンスの違いが誤解やマナー違反を生む

細かい言葉遣いばかり気にして 大事な中身がおろそかになっているパターンをよく見る

英語はどちらかというとそのような気遣いが少ない

そもそも日本語の場合は言葉の選択肢以上に敬語の文化が邪魔をしているのだとは思うが

英語にも目上に使うべきでは無い表現とかフォーマルな表現 カジュアルな表現はあれど日本語のそれはまたさらにややこしい

 

日「お疲れ様です。ご依頼のありました資料を添付しておりますのでご確認のほどよろしくお願いいたします。」

英「Please see the attached.」

この差

 

もちろん英語でも丁寧に表現することもあるし少し極端に比較してしまったものの 日本人みたいに疲れてねぇのにお疲れ様だの言うやつはいない(まれにHope you are doing wellを毎回使うやつはいるが)

そういう細かいところの積み重ねでビジネスのスピード感にも差が出ていると思う

日本文化はとにかくビジネスにおいて足かせになるものが多い

 

あと一人称や二人称

おれ ぼく わたし とか あなた きみ おまえ とか

これは英語ならIとYouで済むから気楽な話だ

初対面で相手のことをなんて呼ぼうか迷って若干気まずくなるやつ 

英語なら「You」て言っときゃいいから楽ちんだ

 

お笑いや歌といった芸や芸術の世界では日本語の強みが最大限発揮される反面 複雑性を求めない合理的なビジネスの世界ではそれが足かせになる

 

それでもおれは日本人に生まれて日本語が母国語で良かったと思う

つらつらと書いたがおれは言語学者でもないし表面的なことしか見ずに偉そうに語っている

だからここに書いたことは浅いし あまり鵜呑みにしないでほしい